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耳を澄ます [客の一人として]

 自分のジャズとの出会いは「JAMAICA」との出会いでもある。
 「JAMAICA」の扉を初めて開けて以来、ここに通っていくうちにジャズを好きになった。そのうち自分でもジャズのアルバムを買うようになる。いつしか自分の持っているアルバムがこの店でもかかるようになった。リクエストをしたり、店の人と話していく中で自分の好きなアルバムを覚えてくれたためである。リクエストをしたことも忘れ、月日も流れ、いつものように店にいると思いがけず、黙って以前にリクエストをしたアルバムをかけてくれるときがある。こんなときは素直に嬉しい。家でもしばらく聞いていなかったので、黙って聴き込んでしまう。同じアルバムでも家で聞くより、この店のときの方が不思議と聴き入ってしまう。気がつけば真剣に、あるいは微笑んで聴いている自分がいる。これだから「JAMAICA」通いはやめられない。
 また、自分の好きなジャズの傾向を店の人が覚えてくれると、その傾向の今まで聞いたことのないアルバムをかけてくれる。店にかなりの数のアルバムがあるにもかかわらず、その内容を把握している店の人には脱帽である。
 店の人が自分の好きなジャズの傾向を知っていても、あえて違う傾向のジャズもかける。店の人が言うには、店にせっかくこれだけのアルバムがあるのだから、好きなジャズの幅を広げて欲しいとのこと。かといって強制はしない。あるジャズマンだけが好きなのであれば、それもいいと思う、とも言っていた。
 毎回店に向かうときに今日はどんなアルバムが聞けるのか期待に胸をふくらませる。
 ときに店の人や他の客と語らい、ときにジャズに酔いしれる。
 ここでは日常を忘れさせてくれるひとときがある。掛け替えのない時間だと思っている。